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マルコ伝



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発行会社 みくに出版
著作者・翻訳者 ルドルフシュタイナー著
紙の本の判型・ページ A5判 約300ページ

新田義之監修 市村温司訳



本書は1981年9月に人智学出版社より発行された『マルコ伝』を復刊したものです。
本書はR.シュタイナーによる福音書解釈のなかでもとくに出色のもと言われています。
これまで長く翻訳では読むことのできなかった作品です。
内容については、監修者の新田義之氏の本書の巻末に書かれた一文(一部抜粋)をご覧ください。

シュタイナーの『マルコ伝』について 新田義之(1981年記)

一九〇八年に『ヨハネ伝』についての連続講演を行って以来、一九〇九年の『ヨハネ伝―特にルカ伝との対比において―』、
『ルカ伝』、『キリスト衝動と自我意識』、『福音書の光に照らして見た人類発展の深い秘密』、
一九一〇年の『マタイ伝』、一九一一年の『イエスからキリストへ』、そしてここに訳出された一九一二年の『マルコ伝』へと、
シュタイナーの福音書解釈の営みは続いていくが、その核心を成すキリスト理解が、これらのすべてに共通しているのは当然であるとして、
私にとっては『ルカ伝』と、この『マルコ伝』とが特に興味深く思われた。
と言うのは、『ルカ伝』には明らかにグノーシスの思想を根底とするシュタイナーのキリスト観が、
従来のどの作品の場合よりも鮮明に示されているように見受けられたし、
又、現在の人智学的キリスト教考古学が、盛んに中世美術の中にその証拠を探し求めている「二人の少年イエス」の考え方が、
他作品のどれよりも明瞭に打ち出されているからであり、『マルコ伝』においては、
これまでの一連の福音書解釈のしめくくりをする位置にある講演であるにもかかわらず、
その結論である「無花果の樹にはもはや花咲かず、十字に組まれた枯木に、
つり吊げられたイエスの肉体という花が咲く」というイメージに至り着く道程に、
不思議なほど多くの思わせぶりな、時によっては極めて感情的とも見られる表現が混じっており、
彼の思想家としての歩みを考える上での一つの手がかりが、そこに求められるからである。
つまり『ルカ伝』に見られる清新で大胆な自説の展開が、シュタイナーにとっていわば自分の過去の清算への意欲を示すものであり、
その結論が『マルコ伝』に見られる過去の世界との訣別であったことが、一連の福音書解釈を読み通す時に感じられるのである。
この間の事情は巻頭に付したシュタイナーの序文(一九一八年筆)にも記されているが、
一般の読者のために、伝記的な事実を多少補って理解の便に供したいと思う。
(中略)

『マルコ伝』は、このようにシュタイナーの思想家としての発展の上で極めて重要な転回期の記念碑である。
語り口に飛躍があり、論理の運びも時としてはなはだ粗いものがあるにしても、それだけに又、
盲目的信奉者達による幼稚な神格化を自ら拒否する人間臭さをも示していて、キリスト出現の意味を深く考えようとする者に、
生きた人間の感動をもって福音書を読むすべを教えてくれる。必ずしも成功作とは言えないが、極めて魅力に富んだ作品であると思う。
原著はRudolf Steiner:Das Markus-Evangeliumと言い、一九一八年にベルリンで出版されたが、
今回の訳の底本には第五版に当たる一九七六年刊行の改訂版が用いられている。



本書は1981年9月に人智学出版社より発行された『マルコ伝』を復刊したものです。
復刊に際しては、発行当時の時代背景を考慮して原本をできるだけ活かすこととしましたが、
監修者・訳者による若干の語句の修正が行われています。